インベンセンスは、コンスーマ・エレクトロニクス(CE)市場向けの次世代MEMSモーション・プロセシング・テクノロジーの創造をリードしています。現在、多くのCE製品が、主に3軸MEMS加速度センサを基にしたモーション・センシング製品を採用しはじめています。これらのモーション・センサは、機能性に制限があり、アップルiPhone™のようなタテ・ヨコの位置検出や、任天堂Wii™のようにゲームのなかで一部の機能を起動するなど、きわめて基本的な動作を検知することにのみ使用されています。 インベンセンスのテクノロジーは、“モーション・プロセシング”と呼ばれるような次世代技術をモーション・センシングにもたらします
モーション・プロセシングは、現在のソリューションを性能と機能で凌ぐ真の1:1モーション・センシングを提供し、Wii MotionPlus™のような、より没入感の高い次世代ゲーミング・ソリューションの開発に寄与します。また、ジェスチャーにより操作できる携帯電話、3Dリモコン、そのほか多くの革新的なコンスーマ・アプリケーションを可能にします。
モーション・プロセシング・テクノロジーは基本的に、一般にはジャイロセンサと呼ばれている振動型MEMS角速度センサの新世代製品の採用に基礎を置いています。しかし、インベンセンスの一体型ジャイロセンサが登場する以前には、従来型のジャイロセンサをコンスーマ・エレクトロニクスの主だった製品に採用することは、機械的にも、価格的にも可能ではありませんでした。なぜなら、従来型のジャイロは、高価で、大きく、衝撃に弱かったからです。
インベンセンスは、当初から明確にポータブルのコンスーマ・エレクトロニクス(CE)製品の市場要求を満たすような多軸ジャイロセンサを設計・開発し、市場を開拓してきました。 インベンセンスは2006年に世界最初の2軸高性能ジャイロセンサを発表し、2007年には、写真に見られるような、CEアプリケーションに向けた最小サイズの2軸ジャイロセンサを、業界の新しいベンチマークとしました
インベンセンスは、一貫してユニークで特許取得済みの製造技術“ナシリ・ファブリケーション”を通して「世界初」のMEMSソリューションを提供しています。 このコア技術は、ウエハー・レベル・ボンディングにより、信号処理を担当する電子回路部にMEMS部を直接統合します。これにより、MEMS部の真空密閉封止とCMOS-MEMS間の電気的な接続を同時に達成しています。
一回のウエファ・ボンディングで標準的なCMOSから既存のアルミ層を使い、MEMSのセンサ電極部とCMOSの電子回路部のあいだに何十万もの電気的な接合をしながら、同時に何千ものデバイスの気密封止をします(写真をご参照ください)。この技術は、競合他社と比べて、インベンセンスに価格と性能の両面で優位性をもたらします。その他のアプローチは、――シリコン・キャップの追加を必要とするガラス・フリット・シール、真空状態の信頼性のために必要な残留ガスの除去、密閉封止をするセラミック・パッケージ、そして、パッケージ・レベルでMEMS部とCMOS部を接合するマルチ・チップ・アセンブリなど――は、より高価で、効率もよくありません。さらに、“ナシリ・ファブリケーション・プロセス”では、シンプルな6層マスクのバルク・シリコンが、ハイスピードの較正と電気的に一体化されたMEMS部のシステムレベルでのテストを可能にし、コスト面での優位性をもたらしています
インベンセンスがもつ、もう一つの技術的な優位性は、すでに特許取得済みの、直交共振構造をもっている点にあります。これは、基本設計においては振動する二つのマス(錘)、チューニング・フォーク(音叉)からなるものですが、ロー・コストを求められるコンスーマ・エレクトロニクス市場に対応し、競合メーカに優っています。
振動型ジャイロセンサは、コリオリの力により生じる、ある構造における二つの共振系の間のエネルギー伝達に基づいています。いわゆるコリオリの力は、回転座標系で生じ、回転率に比例します。 一般的に、振動型のジャイロセンサは、等しい大きさで正反対の方向に振動する二つのマス(錘)を持っています。 ジャイロセンサが回転すると、コリオリの力は、回転率に比例した直交振動力を生じさせます。それをキャパシティブ・センシング(静電容量測定)技術によって測定します。
“ナシリ・ファブリケーション”は、革新的なMEMS製造技術で、すでに多くの特許を取得しています。この技術は、一般的なバルク・シリコン・プロセスを用い、ロー・コストなウエハー・レベル・パッケージングと接合技術から構成されており、これにより非常に安価で、シングルチップのモーション・プロセシング・ソリューションが可能になります。
“ナシリ・ファブリケーション”は、ジャイロセンサ、加速度計、回転センサ、アクチュエータ、その他多くのMEMSデバイスに展開できます。この製造技術は、静電容量を検知するタイプのMEMSデバイスや、アクチュエータを必要とするタイプに特に適しています。付帯する別チップとの間に接合工程とワイヤ・ボンディング工程を入れなければならない他の多くのMEMS慣性センサ・メーカと異なり、“ナシリ・ファブリケーション”はMEMS部とCMOS部を直に接合することにより、MEMS部と、それに適したCMOS回路との直接的な電気接合を可能にしています。この製造技術は一般的なウエハーボンディング設備を使用しますが、接合技術自体は特許取得済みの独自技術です。この技術では、他の層の追加なしでCMOSウエハー上のアルミ層へMEMSウエハーの共晶接合を行います。“ナシリ・ファブリケーション”により、ウエファー・スケールでの統合とパッケージング工程を一つの工程にしてしまうことができます。その結果、業界のベンチマークとなるような小型、高性能、高堅牢性、および低価格が実現できます。この製造技術は、ウエハー・スケール・パッケージングを中心にした技術で、敏感なMEMS構造の完全な気密封止を可能にします。これにより、高い耐高温性と耐湿性も実現しています。
“ナシリ・ファブリケーション”は、大量生産が可能ないくつかのMEMS製造工場にすでに移植されています。そして、他の競合ジャイロ・センサ・メーカが直面する典型的な障害に影響されることなく、生産を立ち上げています